レーザー加工による板金材料の切断加工(カット)、穴あけ、プランク加工
精密板金・板金加工の主な工程・作業手順のなかで、レーザー加工機(レーザー切断機)による主に薄板金属(板金材料)の切断加工(カット加工)、穴あけ加工、ブランク加工などについて、その方法や用途・特徴などをご説明いたします。
レーザー加工(レーザーカット・切断、穴あけ)
精密板金wizで行うレーザー加工とは、主に鋼板(鉄板)やステンレス板、アルミ板、真鍮板などの薄板金属(板金材料)を、レーザー加工機(レーザー切断加工機)によって行う切断加工(カット)・穴あけ加工のことを言います。
レーザー加工(レーザ加工)では、切断加工(カット加工)や穴あけ加工以外にも、後述するようなマーキング・彫刻、トリミング、スクライビング、接合加工(溶接、ろう接)、表面改質(焼入れ、アニーリング、レーザー蒸着)などの加工や、金属材料だけでなく、紙や木材、ガラス、樹脂などへの彫刻なども可能ですが、精密板金wizは主に金属材料(板金材料)の切断・カット、穴あけ加工にレーザ加工を利用しています。
薄板の一般板金加工・精密板金において、レーザー加工(レーザーカット・切断加工)は、曲げ加工を行う前の平板の外形形状の切断・カットや穴あけ加工(ブランク加工)の加工方法・手段として、試作から中程度の量産まで、タレパン加工(NCT加工)と並び最も良く用いられる板金加工方法の一つです。
例えば、下図のような切断や穴あけ・製品外形の切断加工(ブランク加工)は、任意の直線・曲線形状で複雑な形状でも連続的かつ滑らかなカットラインで切断・穴あけ加工ができます。
クリーンカットも可能であり、切断はシャーリングカットやタレパン加工、金型プレス加工のような機械的せん断加工ではないため、カエリもほとんど発生しない良好な切断面が得られます。
レーザーカット(レーザー切断)は、タレパンによるニブリング加工では難しい複雑な曲線形状の切断加工には特に威力を発揮することができます。
レーザー加工機(切断機)
ここで言うレーザー加工機とは、主に薄板金属などの板金切断・穴あけ加工・ブランク加工に利用される板金機械としての、いわゆるレーザー切断加工機(レーザー切断機)のことを言います。
(以下の参考写真・模式図参照)
【レーザー加工機(切断機)の参考写真・模式図】
(※広義の意味でのレーザー加工機としては、金属溶接を行うレーザー溶接機、樹脂の接合・溶着を行うレーザー溶着機、レーザビームにより非接触で金属や樹脂、紙、木材等各種素材表面に熱加工で文字や記号・ロゴなどの印字(マーキング)を行うレーザーマーカー、マーキングよりもさらに深堀りの加工(彫刻)ができるレーザー彫刻機など、それぞれの用途・目的に特化したレーザー加工機もあります。)
レーザー加工機(切断機)は、金型を使用して切断加工(抜き加工)を行うタレパン(NCT/NCタレットパンチプレス)やパワープレスなどの板金機械とは異なり、レーザー光(レーザービーム)を利用して非接触で行う除去加工(溶融除去、蒸発除去)によって金属板などの切断・穴あけを行う加工機械です。
レーザ加工機による切断加工は、レーザービームのエネルギーにより材料を溶融除去して切断する熱加工による加工方法なので、切断する材料の硬度は切断には関係ありませんが、材料のレーザー光の吸収率が重要となり、金や銀・銅などレーザー光の反射率が高い材料は一般に切断が困難です。
レーザー加工機の出力にもよりますが、一般的な金属材料(板金材料)の切断においては、タレパンなどのプレス機械による切断よりも、厚板材料の切断が可能です。
精密板金wizにおけるレーザーカットでは、材料にもよりますが薄板では板厚t0.1mm程度からの切断が可能で、主な金属材料では、鋼板(SS400)で板厚t22mm、ステンレス(SUS304等)でt24mm、アルミ(A5052P等)でt12mm、真鍮(C2801P等)でt6mm、チタンでt8mm程度までの厚板の切断が可能です。
概略構成
一般的なレーザー加工機(切断機)は、主に以下の模式図のような構成となります。
レーザー切断加工機は、集光したレーザーを試料(切断材料)に直接照射して溶融させ、レーザーと同軸で流れるアシストガスで溶融金属を吹き飛ばすことによって切断を行う加工機です。
一般には、上の模式図のようにその性能や役割によって幾つかの装置・系統に分けることができますが、それぞれの系は次のような機能・役割をもっています。
- レーザー発信器
- レーザー光(レーザービーム)を発振する装置。加工する板厚や材料の種類、レーザカットに求められる加工精度などによって、レーザーの種類は出力などが使い分けられる。一般に切断加工用にはCO2レーザー(炭酸ガスレーザ)を採用しているものが多いが、YAGレーザーを採用する発信器もある。
- 光路(伝送光学系)
- 発信器から発生されたレーザービームを集光して照射するユニットへ伝送する部分で、レーザー光の通り道となるところ。CO2レーザーの場合は反射ミラーを使用して伝送するが、YAGレーザーの場合は自在に湾曲しても伝送することができる光ファイバーを通して伝送タイプもある。
- 集光系(集光光学系)
- 発信器から発生され、反射ミラーや光ファイバーで構成された伝送光学系によって伝送されたレーザービームを、放物面鏡や集光レンズなどによって適切なサイズに集光して被加工材料に照射する装置。集光レンズの焦点距離の長短などによって、レーザーの集光径や集光時のパワー密度が変化する。
- アシストガス系
- レーザビームによって溶融した金属を吹き飛ばすための高速ガス流を発生させる装置。ノズルに繋がっていて、酸素や窒素のガスボンベとガス圧調整器(レギュレーター)で構成されている。使用するガスの特徴として、酸素ガスは切断面に酸化皮膜を生成する難点がもあるものの、金属板切断では酸化反応熱を切断に利用できるため切断速度や加工限界を向上させることができるメリットがある。切断面の酸化皮膜生成を解消することができるガスとして、窒素ガスやアルゴンガスが利用される。
- ガスノズル
- 溶融金属を吹き飛ばすためにのアシストガスを噴き出す装置。吹き出し口の先端を細穴に絞った形状になっており、アシストガスを高速で噴き出すことができる。
- 駆動系
- レーザー切断は、集光光学系または被切断材料を固定しているテーブルを移動させること、或いは、その両方を移動させることによって材料の切断が行われるシステムとなっている。板金材料などの2次元の切断加工の場合であれば、切断材料の片側をクランプしてテーブル上に載せる形が一般的である。
レーザー加工(レーザーカット)の主な特徴など
レーザー加工(レーザ切断)の主な特徴・用途などを以下に列記します。
- 熱切断法
- タレパンやのこ切断、シャーリングカットなどの機械的切断とは異なり、ガス切断やプラズマ切断などと同様に熱切断法の一種である。
- 熱影響が少ない
- 同じ熱切断のガス切断などと比較すると、熱影響が少ないので熱変形が極めて小さく切断精度が高いので、薄板の精密切断に利用できる。
- 微小な切断幅
- ガス溶断やプラズマ切断と比較して切断幅が狭い。レーザビームの照射によって溶融した部分だけを除去加工するので、切断幅がレーザーの集光径とほぼ同じ微小な幅で切断できる。
- 非接触加工
- 加工する材料に直接接触しない非接触加工である。加工する材料に機械的な圧力が加わらないので、圧力による大きな変形・損傷やひずみが発生しない。また、歯の交換などは存在せず、レンズやミラー等の消耗部の劣化による交換頻度はタレパンなどの接触除去加工に比べて低い。
- 切断速度が速い
- 高パワー密度のレーザービームを照射する加工であるため、切断加工材料の溶融および溶融金属の除去が迅速であり、ガス切断などの従来の切断法に比べて切断速度が速い。
- 酸化が少ない
- 切断部(切断面)の酸化が少なく、特に無酸化切断(クリーンカット)を行えば、切断後の仕上げ加工も必要のない非常に良好な切断ができる。
- 薄板から厚板まで対応できる
- レーザーの使い分けによって薄板から厚板まで多様な板種・板厚の切断加工に対応できる。一般に、薄板の切断にはパルスタイプのYAGレーザーカット、厚板には連続タイプのCO2レーザーカットが有効である。
- 硬度の影響がない
- レ-ザカットによる切断加工は、基本的には切断する材料の硬度に左右されることはないが、材料のレーザー光の吸収率に大きく左右される。一般に、レーザービームの反射率が高い材料(金、銀、銅など)は切断が難しくなる。
- 複雑・任意形状の切断が可能
- プレス機での型抜きなどでは困難な曲線形状の切断や複雑な任意形状のカットを行うことができる。
- 多品種少量生産に対応可能
- 加工データさえ作成すれば、1~2個の試作部品から数百ロットの部品加工・カット加工に幅広く利用できる。
- バリ・カエリがない
- NCT加工(タレパン加工)などのプレス機でのせん断加工による切断加工で問題とされるような、抜き加工による製品にバリやカエリの発生がない。特にクリーンカット(無酸化切断)を行えば、切断面の酸化もなく良好なカット面が得られる。
レーザー加工(レーザー切断・カット・穴あけ)を利用した板金加工サンプル
ステンレスばね材(SUSバネ材)のレーザカット精密板金加工サンプル
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SUS304CSP等|ステンレスバネ鋼(SUSばね材)-板バネ・板金加工例
ステンレスクリップ(SUS板ばねクリップ) SUS304-CSP t0.3
SUS薄板バネ鋼シールドケース SUS304-CSP t0.3
板バネロックピン SUSバネ鋼 SUS304-CSP t0.3 試作
真鍮板(黄銅板)C2801P等のレーザ切断板金加工サンプル
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レーザー加工の基礎知識|レーザーとは?、切断・穴あけ以外の加工方法等
レーザー加工はこれまでご紹介した切断・穴あけといった除去加工への利用が最も広く普及していますが、除去加工以外にもマーキングや彫刻、溶接・ろう接といった接合加工、焼入れ・アニーリング・蒸着といった表面改質加工など、非常に広範囲に応用できる加工方法です。
ここでは、レーザーの原理・特徴からレーザ加工の種類など、レーザー加工に関する基礎知識をまとめました。
レーザーとは?、レーザー加工とは?
レーザーとは、アルファベット(英語)で書くと「LASER」と書きますが、これは英語の「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の頭文字をとったものです。これを日本語に訳すと、「放射(輻射)の誘導放出による光の増幅」という意味になります。つまり、光を電気信号のように増幅して強くしたものですが、単に強くするだけではなく、非常に質の良い光として増幅したものになります。
以下の図は自然放出と誘導放出の概念図です。
原子や分子などはある特定のエネルギを持って運動していますが、外部からエネルギを受けるとさらに高いエネルギを持って運動します。これが励起状態です。
しかし、しばらくすると余分なエネルギーを放出して元のエネルギの状態に戻ろうとします。余分なエネルギは光となって外部へ放出されます。これが自然放出です。
CO2やYAGなどのレーザ媒質に放電等で強い光などによってエネルギを与えると、上述のような原理でレーザ媒質の原子や分子が高エネルギ状態に励起されますが、この状態は一瞬しか継続せずに原子や分子は得たエネルギの大きさに応じた波長の光を放出して低いエネルギ状態に戻ります。この光が、他の高エネルギ状態の原子や分子に衝突すると、それらも同じような光を放出します。これが誘導放出です。
高エネルギー状態の原子や分子が非常に多く存在すると、この誘導放出が次から次へと発生することによって多量の光が放出されます。そしてこの時に、向かい合った鏡の間でこの放出された光を繰り返し反射させると、光は特定の波長の光のみが増幅されて、やがて単一波長の強力な光となります。これがレーザーとなります。
レーザーの種類
レーザーが開発されて以来、さまざまな研究が進められ、現在ではレーザーの種類は数百種類もあると言われますが、発振される光の波長によって大別すれば、赤外線レーザー、可視光線レーザー、紫外線レーザー、X線レーザーなどに分類できます。
また、レーザーは媒体(レーザ発振の元となり誘導放出を起こす物質)によって、主に以下のような種類に分けられます。
固体レーザー
媒体が固体であるレーザ。
- YAGレーザ
- 波長:1.06(μm)の近赤外線、用途:穴あけ、切断、溶接等
YAGレーザーとは、YAG(※)をレーザ媒質として用いた固体レーザーのことで、研究用・工業用・医療用などの用途で用いられるネオジム(Neodymium:元素記号Nd)をドープした Nd:YAGレーザー(ネオジムヤグレーザー)や、医療用などで利用されるエルビウム(Erbium:元素記号Er)をドープした Er:YAGレーザー(エルビウムヤグレーザー)などもある。
(※)YAG(ヤグ)とは、Yttrium Aluminum Garnet(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の頭文字を取った通称で、イットリウム(Y)とアルミニウム(A)の複合酸化物(Y3Al5O12)から成るガーネット(G)構造の結晶のこと。 - ガラスレーザ
- 波長:1.06(μm)、用途:穴あけ、核融合等
- リビーレーザ
- 波長:0.69(μm)、用途:穴あけ等
リビーレーザーとは、代表的なものにクロムを添加したルビー結晶をレーザ媒質として用いた固体レーザー。
液体レーザー
媒体が液体であるレーザ。
- 色素レーザ
- 波長:0.4~0.7(μm)、用途:分光、研究用等
色素レーザーは使用する色素や共振器の調節によって発振波長を自由、かつ連続的に選択できる。色素分子をアルコールなどの有機溶媒に溶かした色素レーザーがよく利用されている。
ガスレーザー(気体レーザー)
媒体が気体(ガス)であるレーザ。
- CO2レーザ(炭酸ガスレーザー)
- 波長:10.6(μm)の遠赤外線、用途:穴あけ、切断(カット)、溶接、熱処理等
連続発信とパルス発信が可能で、レーザ発振機の効率(レーザ媒質に投入されたエネルギに対する出力レーザ光のエネルギの比率)がとYAGレーザーに比べてかなり高く、大出力による高能率加工が可能であるため、特に板金切断に広く適用されている。 - エキシマレーザ
- 波長:0.15~0.35(μm)の紫外線、用途:化学、医学、加工等
希ガスやハロゲンなどの混合ガスをレーザ媒質として用いたガスレーザーのことで、元々は工業用として利用されていたが、最近ではレーシックなどの視力矯正手術においても利用されている。 - Arレーザ(アルゴンイオンレーザ)
- 波長:0.51(μm)、用途:穴あけ、計測等
アルゴンイオンのガスをアーク放電で励起したレーザー。
(※ガスレーザーの励起には、グロー放電を利用するのが一般的であるが、イオンを用いた気体レーザーの多くはアーク放電が用いられる。) - He-Neレーザ(ヘリウムネオンレーザー)
- 波長:0.63(μm)の可視光線、用途:計測、ディスプレイ等
ヘリウムとネオンの混合気体をレーザ媒質として用いたガスレーザーのことで、世界で最初の気体レーザーであり、放電によってポンピングし、準安定状態のヘリウムをネオンにぶつけてエネルギー交換を行う共鳴遷移を利用して効果的に反転分布を実現したレーザ発振を行う。
半導体レーザー
媒体が半導体であるレーザー。固体レーザーとは区別され、レーザーダイオード(LD)とも呼ばれている。半導体の再結合発光を利用したレーザーで、半導体の構成元素によって発振するレーザー光の波長が変わる。
自由電子レーザー
自由電子のビームと電磁場との共鳴的な相互作用によってコヒーレント光を発生させる方式のレーザー。
レーザー加工とは?|加工の原理など
レーザ加工では、以下のイメージ図のようにレーザビームを被加工物上で極めて小さな面積に集光させることにより、被加工物上における焦点において非常に大きなエネルギ密度を発生させます。
この非常に高いパワー密度での被加工材料への集中照射によって、材料を加熱、溶融もしくは蒸発させるというのがレーザー加工の原理です。
レーザー加工はこのような原理を基本とし、鉄、非鉄、セラミック、プラスチックス、木材、布、紙、複合材などほとんどの種類の材料を対象に、自由曲線切断、穴あけ、溶接、表面処理、微細加工などの多岐にわたる加工を可能にしています。
また、レーザーは容易に出力を制御することができるので、レーザ照射の時間を調整することなどによって被加工材料表面の温度状況をコントロールし、次のようなさまざまなレーザー加工を行うことが可能になります。
レーザー加工の種類・分類
一般にレーザ加工でできることは、除去加工、接合加工、表面改質の三つに大別されます。
これらはさらに以下のように細分化することができますので、レーザ加工は広範囲に応用できる加工法であるといえます。
除去加工(溶融除去、蒸発除去)
- 切断(カット)
- 金属・非金属の薄板・厚板の切断
- 穴あけ
- 各種板材の穴あけ加工、超硬物、軟物の微細穴あけなど
- マーキング・彫刻
- 半導体、工具等への印字、各種材料(金属、樹脂、木材、紙、ガラス)表面へのデザインマーキング・彫刻など
- スクライビング
- セラミックスなど
- トリミング
- 半導体工業分野など
接合加工
- 溶接
- 産業・工業分野、小物・薄板の高速溶接など
- ろう接
- 半導体工業分野での利用など
表面改質
- 焼入れ
- 加熱プロセス。材料の耐摩耗性、強度の向上など
- アニーリング
- 加熱プロセス。残留応力の低下、結晶成長など
- クラッディング(肉盛)
- 溶融プロセス。耐摩耗性、耐食性などの向上など
- グレージング(アモルファス化)
- 溶融プロセス。非晶質化、組織の微細化など
- レーザー蒸着(PVD:物理的蒸着法)
- 蒸発プロセス。耐摩耗性、耐食性などの向上など
- めっき加速処理(CVD:化学的蒸着法)
- 化学反応プロセス。メッキ反応速度の向上など
上で分類したレーザー加工の種類のうち、用途としては、除去加工にあたる切断(カット)、穴あけへが最も広く利用されており、次いで溶接やマーキング・彫刻への利用が多くなっています。
レーザー加工機の種類によっても得意な用途があり、最も広く普及しているCO2レーザー加工機では、特に除去加工(切断、穴あけ)が圧倒的に多く利用されており、次いで溶接加工、表面改質などにも利用されています。
一方、YAGレーザー加工機は、マーキング(彫刻)と切断・溶接・穴あけへの利用が主流となっており、それ以外はトリミング、スクライビングなどの各種加工へ利用されています。
代表的なレーザー加工方法の特徴・その他
基本的には熱源であるレーザ発振器の応用の仕方によって、レーザー切断(レーザーカット)、レーザー溶接、レーザーマーキング(レーザー彫刻)、レーザー焼入れなどの各種加工が可能です。
ただし、加工方法により、加工ガス(アシストガス)やノズルの大きさ、集光系などが異なりますので、適切なものを選択しなければなりません。
研究用には一つの発振器で各種レーザ加工が行われますが、工業用など実用上の利用においては加工材料の形状を含め、生産性など考慮にいれる項目が増える等のことから加工方法に特化したレーザー加工機を利用するのが一般的です。
以下に代表的なレーザ加工である切断(カット)、溶接、彫刻・マーキング、表面焼き入れの簡単な原理を説明します。
基本的に、発振器より出力されたレーザビームを集光系に導くまでは大差はありませんが、それ以降が加工方法により異なってきます。
レーザー切断(レーザーカット)
集光したレーザビームと同軸にアシストガスを高速で吹きつけ、溶融した材料を吹き飛ばすことで切断します。金属切断はアシストガスに燃焼反応のエネルギーも利用できる酸素を用いる場合が多く、非金属切断であれば不活性ガスを利用する場合が一般的です。
レーザー溶接
集光したレーザ光の高密度エネルギーにより材料を溶融します。溶けた部分が大気中の酸素に触れない様にする為(酸化防止とスパッタ防止)、ノズルよりヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスを流しますが、ガス圧が高圧だと溶けた部分が吹き飛んでしまうので、低圧で吹き付けます。溶けた材料1と材料2が混ざり合って、材料温度が凝固点まで下がると両者の材料が接合されます。
レーザーマーキング
レーザビームを集光させて材料表面の温度を融点から沸点まで上げ、材料表面の溶けた部分に低圧でガスを吹きかけます(ガスの種類によってマーキングの色を変える事が可能)。同じ場所でレーザ照射を続けると材料内部まで溶けてしまうので、材料表面だけを溶かすよう、すばやく移動させていきます。
レーザー焼入れ
レーザビームを広げて表面に高エネルギーを照射します。材料自身の熱拡散によって表面は急速冷却されます。ノズルからは酸素に触れないようにするため(酸化防止、スパッタ防止用)、ヘリウムやアルゴンガスなどの不活性ガスを低圧で吹きかけます。
主なレーザー加工機メーカー
精密板金wizにおける板金加工で板金材料のブランク加工(切断、穴あけ)に利用するレーザー切断機メーカーをはじめ、レーザー溶接機・溶着機、レーザーマーカー、レーザー彫刻機など各種レーザー加工機や、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)をはじめとする各種レーザー発信器などのメーカー、商社・販売代理店などをまとめています。
レーザー切断機
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)加工機やYAGレーザー(ヤグレーザー)加工機など、産業用・汎用レーザー切断加工機のメーカーです。
特に最も主力であるCO2レーザ加工機は、溶接加工や表面改質に利用されるレーザ加工機もありますが、切断や穴あけなどの除去加工に利用されるものが多くあります。
- トルンプ株式会社
- 世界最大のレーザ発振器・加工機メーカー。パンチ・レーザ複合機、レーザ加工機、CO2レーザ発振器、YAGレーザ発振器レーザマーカーなど。
- 三菱電機
- 二次元・三次元レーザ加工機、大形・基板穴あけ用レーザ加工機、CAD/CAMシステムなど、豊富なレーザー切断機ラインナップあり。
- アマダ
- 周辺装置・CAD・CAMシステムなどを組み合わせ、システムアップすることも可能な板金加工機械メーカー。高精度微細CO2レーザマシン、YAGレーザ溶接機などもある。
- 日平トヤマ
- 世界で初めて三次元5軸レーザ加工機を開発したメーカー。ユーザニーズに合わせたシステムアップも可能。薄板から厚板までこなすオールマイティから超高速2次元レーザ加工機など。
- ヤマザキマザック
- CO2レーザ切断加工機の多品種少量生産に最適なベストセラー機から、全軸リニアモータによる高速駆動とオートトーチチェンジャを始めとする自動化機能を標準装備した高生産性マシンまで。
- 小池酸素工業株式会社
- 高速・高品質切断 高生産性・無監視運転・省スペースを実現した門型CO2レーザー切断機などをラインナップ。ガス・溶接・切断のトータルシステムサプライヤー。
- 澁谷工業株式会社
- ハイクオリティ・低ランニングコスト・コンパクトを実現した炭酸ガスレーザ加工機から最小穴開けφ0.1mmの微細加工を実現した超精密レーザ加工機まで。
- 三洋機工株式会社
- 本格的な生産加工システムに対応するYAGレーザー加工機や大型2次元・3次元CO2(炭酸ガス)レーザ加工機など。豊富なオプション類も用意されている。
- 日酸TANAKA株式会社
- 板金用CO2レーザーから中厚板の切断も可能なレーザ切断機から溶接、マーキング、彫刻など広範囲な応用分野まで豊富な技術力でレーザー加工システムを提供。
- 精電舎電子工業
- 汎用の多関節ロボットを使用する事により抜群な低価格を実現したロボット搭載型レーザ加工機や、画像処理位置補正カッター、アパレルレーザカッターなど。
- 飯田工業株式会社
- コンパクトなパソコン対応CO2レーザ加工機から、半導体レーザとCO2レーザを搭載したハイブリットレーザ加工機(半導体レーザによる樹脂溶着加工と、CO2レーザによる切断・彫刻加工が行える複合機)など。
- 新日本工機株式会社
- 大型工作機械の基本理念をベースに開発された定尺板から大板まであらゆるシートメタルを高速高精度に切断できる二次元レーザー切断加工機や、車のプレス部品のトリミング・穴明けに、試作等の少量生産のみならず、大量生産にも対応可能とした高速・高精度で生産性の高い、高性能でフレキシブルな3次元5軸レーザー加工機など。
- コータキ精機株式会社
- 低重心かつ高剛性な設計により高品位な切断が可能なレーザー切断機など。低振動で高剛性の減速機を搭載し、従来発振器搭載型では難しかった微細切断が可能。高速ピアシング機能の採用など。
レーザー溶接機・溶着機
レーザー切断・穴あけ加工についで工業分野で広く利用されるレーザー溶接(レーザ溶接、レーザービーム溶接とも言う)を行うためのレーザー加工機のメーカーです。
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)とYAGレーザーを使用したレーザー溶接機が実用化されています。レーザーによる金属溶接加工だけでなく、樹脂の溶着に使用されるレーザー溶着機も一般的な加工法として実用化されています。
- ロフィン・バーゼルジャパン株式会社
- 精度、スピード、剛性など加工分野における多種多様な要望に対して目的に応じた信頼性の高いレーザーを提案。小型から中型・大型レーザー溶接機、レーザー溶接システムまで。
- 芝浦メカトロニクス株式会社
- スポット溶接の加工を行うためのパルスYAGレーザ装置や、電池ケースの封止溶接や金属・セラミックスなどの溶接・切断・穴あけなどの加工ができるYAGレーザ溶接装置など。微細加工技術・光学系応用技術を基にレーザ加工の新分野で高性能でコンパクトな装置を提供。
- ミヤチテクノス株式会社
- ファイバレーザ溶接装置、YAGレーザ溶接装置、YAG SHGグリーンパルスレーザ溶接装置、スキャニング式レーザ溶接システム、レーザ溶接モニタ、LDダイレクト レーザ樹脂溶着機など、全機種「RPF(リアルタイムパワーフィードバック)機能」を搭載した各種レーザー溶接装置を提供。
- トルンプ株式会社
- 小型から中型・大型レーザー溶接機までラインナップ。スポット溶接にもシーム溶接にも威力を発揮し切断・穴あけもカバーするパルス固体レーザ(パルスレーザー)TruPulseシリーズや、シーム溶接や切断で高出力での優れたレーザ品質のディスクレーザ TruDiskシリーズなどがある。
- OBARA株式会社レーザ事業部
- 精密溶接・微細接合 パルスYAGレーザ溶接・加工装置など。小型から中型出力まで、薄物(箔類)などの精密溶接(微細接合)や、SUS+銅、アルミ+銅、SUS+アルミなど異種金属の溶接、タングステンをはじめモリブデン、タンタルなどの焼結金属の接合も可能なOLY多機能レーザシリーズをラインナップ。
- オムロンレーザーフロント株式会社
- 小型から大型出力まで独自DSPを採用した高速デジタル制御により、高速・高安定・高品位な溶接を実現するパルスレーザー溶接機。電池封止溶接、自動車ボデー3次元切断・溶接、自動車電装、板金溶接・切断などに利用されるレーザー溶接機など。
- THM ティー・エイチ・エム株式会社
- YAGレーザ溶接装置をはじめとし、各種精密溶接装置、精密溶接周辺自動機を製造・販売する。小型から中型出力のMAXシリーズ YAGレーザ溶接機をラインナップ。
- 株式会社片岡製作所
- 小型から中型までのYAGレーザー加工機。革新的なLD励起レーザー発振器を開発し、低コスト・高スループットのYAGレーザ加工機を提供。アルミ材などの精密溶接に最適なハイブリッドパルス型レーザーをはじめとするKLYシリーズをラインナップ。
- LASAG ラサーグ インダストリアルレーザーズ ジャパン
- 溶接・切断・穴あけの微細加工用の固体Nd:YAGレーザの世界的なメーカーであるラサーグ社(LASAG)レーザー加工機の販売を行う。光ファイバ方式を用いた微細溶接専用機SLS200シリーズや、切断・穴あけ・溶接等の微細加工専用のKLS246シリーズ(パルス式Nd:YAGレーザー)など。
- GSIグループジャパン レーザ事業部
- 溶接、切断等のアプリケーションに、幅広く採用されているハイパワーYAGレーザの代名詞的存在のJKシリーズなど。航空宇宙(ハニカム溶接およびタービン構成部品の溶接等)、自動車、エレクトロニクス(バッテリー溶接、電子レンジパーケージ溶接等)、医療および半導体の産業で使われている。
- ファナック株式会社(FANUC LTD)
- 高い信頼性を誇る高性能炭酸ガスレーザー FANUC LASER C series をラインナップする。
- 株式会社ファインディバイス
- 樹脂溶着に使用される溶着用レーザー(溶着機)・レーザー樹脂溶着装置を提供。加工内容、生産条件に合わせ、搬送系、移動系、カバー、架台、制御機能などを追加し御要望にあわせ、システムアップすることが可能。
- 浜松ホトニクス株式会社
- レーザー樹脂溶着やハンダ付け・ロウ付け・熱処理用途などに利用できる自社開発したファイバ出力型半導体レーザ(LD)ユニットと駆動装置、温度モニタリング機能を搭載したコンパクトで高機能なレーザ加熱装置など。
- リコー光学株式会社
- 接着剤を使用しないプラスチックの接合が可能な精密プラスチック溶着装置(PPW1000)や、微細樹脂溶着、レーザー微細半田付けに特化した近赤外レーザー微細加工装置(RI-7000)など。
レーザーマーカー
レーザマーカーは、レーザビームを利用して非接触で金属や樹脂、紙などの表面に熱加工で文字や記号、ロゴなどの印字(マーキング・彫刻)が行えるレーザー加工機です。印字用レーザーの種類には一般的にCO2レーザーとYAGレーザーがあります。また、発振される光の波長によって、赤外線レーザーマーカーのほか、可視光レーザーマーカー、紫外線レーザーマーカー、短パルスレーザーマーカーなどにも分類されます。
- SUNX(サンクス株式会社)
- 用途の合わせ各種LPシリーズの各種レーザーマーカーを提供。基本波(波長1064nm)の半分の波長のグリーンレーザー(波長532nm)を採用したLP-Gシリーズや、3D制御が可能なタイプもあるFAYbレーザーマーカー(ファイバーレーザーマーカー)シリーズ、性能・機能・品質・操作性、すべてにおいてハイグレードなCO2レーザーマーカーなど。
- KEYENCE Japan(株式会社キーエンス)
- YAG/YV04レーザマーカーのMDシリーズ各種(三次元制御のYVO4グリーンレーザマーカ、超小型完全空冷YVO4レーザマーカ、過酷な現場で使える空冷YAGレーザマーカなど)や、CO2レーザマーカー(世界初の3次元制御タイプ等)のMLシリーズなど。
- ロフィン・バーゼルジャパン株式会社
- 樹脂、金属用高性能ダイオード励起型Nd:YAGレーザーマーカー(PowerLine D)や、スターマーク・シリーズ(CO2レーザー、ランプ励起型Nd:YAGレーザー)などをラインナップ。半導体業界、IT・電気業界、自動車業界、IDカード、スマートカード、医療業界、包装・パッケージングなど幅広い業界に利用される。
- サンインスツルメント
- ハイパートロニクス社(Hypertronics Pte Ltd:シンガポール)社製のレーザーマーカーで、独自のスキャンビジョン技術を採用した完全空冷・高速マーキング(彫刻)・低消費電力・メンテナンスフリーのHT5000シリーズなどの販売を行う。
- 堀内電機製作所
- 樹脂・金属など各種材料へのレーザーマーキング・彫刻装置をラインナップ。CO2レーザーのスタンダードモデルから高品位ビームで微細な印字・加工が可能なLD励起YVO4レーザーマーカー、鉄・SUS・アルミ等各種金属材料への印字・深堀りから微細・極小印字まで広範囲な印字が可能なLD励起YAGレーザーマーカーなど各種。
- 芝浦メカトロニクス株式会社
- 電子部品や半導体パッケージやスイッチなどに高速で鮮明な文字や記号を描くことができるYAGレーザマーカー(LAYMARK2)をはじめ、ウェーハ全面に、高速・高精度に文字や記号を描くことができるWL-CSP用レーザマーカ、テープやLSI裏面に微小文字を高精度に描くことができるTAB-IC用レーザマーカ、半導体Siウェーハに管理番号などを印字するウェーハマーカなど。
- ミヤチテクノス株式会社
- 国内では最大出力の20Wファイバレーザ発振器を搭載し、金属から樹脂まで、幅広く高速・高品質なマーキング・彫刻加工を可能とするパルス波形制御方式を採用したファイバレーザ加工機(ML-7320AU)や、超微細マーキング・彫刻がきれいに行えるレーザーマーカー(ML-7111A)、業界最安値を実現したYVO4レーザマーカ(ML-7112A)、他にはない高出力レーザにより、ハイタクト、深堀、黒色マーキング・彫刻を実現したML-7064Aなど。
- カンタムエレクトロニクス株式会社
- フォトンエナジー社(ドイツ:Photon Energy GmbH)のレーザを取り扱う。短パルスと優れたビーム品質で、ガラス内部へのマーキング・彫刻、赤色の表面への加工、微細加工、分光などの科学技術用途など、幅広く利用できるLD励起固体レーザなど。
- SUZUHO(株式会社鈴峯)
- 貴金属加工機械の総合商社&メーカー。一般産業用として、世界最小オールインワンコンパクトモデルの超高出力DPL・高品質のハイパワーYAGレーザーマーカーなどを取り扱う。
- トルンプ株式会社
- 世界最大のレーザ発振器・加工機メーカー。非常にコンパクトでコストパフォーマンスが高く、この分野のパイオニアであるトルンプのノウハウをぎっしり詰め込んだマーキングレーザ TruMark 3000シリーズなどがある。
- エクセルテクノロジー株式会社
- 米国コントロール・レーザ社や米国カントロニクス社などのレーザーマーカ等を輸入販売する。2次元及び3次元マーキング・彫刻・深堀・微細加工システム、ファイバー・YVO4レーザマーカ、金属深堀レーザマーカモデルなどがある。
- 株式会社レーザーテクニカ
- レーザー加工機販売や加工受託も行う。高精度スキャン光学系搭載、YVO4やYAG基本波のレーザー マーカーシステムなどを取り扱う。
- 株式会社東京インスツルメンツ - TOKYOINSTRUMENTS,INC.
- 彫刻・マーキングに利用できるナノ秒レーザー(LD励起Qスイッチパルスグリーンレーザー、UVレーザー等)など。ナノからピコ、フェムト秒パルス、CW、LD、波長可変レーザー等、紫外から赤外波長域までのレーザー各種取り揃えている。
- IDECオートメーション
- 樹脂部品、金属部品、電子部品など幅広い素材への彫刻・マーキングに利用されるYM1Aシリーズ(金属への深堀彫刻、高速マーキングに最適なYM1A-020や、シンプルな構成でローコストなYM1A-005などのNd:YAGレーザー、基本波の1/2のスポットサイズで超高精細マーキング・彫刻ができるNd:YVO4レーザー YM1A-007-S等)などを提供。
- タカノ株式会社 レーザーシステム課
- UVレーザマーカー Nd-YAG波長変換レーザ(4次高調波)を取り扱う。UV光の広い光吸収特性により、金属、ガラス類、有機材料等ほぼ全ての材料の表面にマーキング・彫刻が可能。
- 松定プレシジョン
- レーザヘッド・ワークステージ・レーザアイセーフティ・安全装置など使用に必要なアプリケーションを標準装備したオールインワンのレーザマーカ、マイクロレーザマーカシリーズをラインナップ。YVO4、YAG、グリーンレーザーマーカー。
レーザー彫刻機
レーザー彫刻機とは、レーザーマーカー(レーザーマーキング)の中でも深掘りのマーキングができるマーカーを特に区別してレーザー彫刻機という場合があり、レーザーマーカーよりも広範囲加工ができる加工機が多くあるようです。レーザー彫刻機はCO2レーザーが主流ですが、YAGレーザーを搭載してい彫刻機も多数あります。
- Amacho 尼崎彫刻工業株式会社
- 簡単な操作性でさまざまな素材への超高速・超精細な加工を実現したCO2、ファイバーレーザー彫刻機を開発・販売する。レーザー彫刻プリンタ「Lepri EXT」、ローコスト・ハイパフォーマンスを追求したデスクトップタイプレーザー彫刻機(Lepri Miniシリーズ、Lepri zingシリーズ、Lepri Fiber Mark 等)など。文字図形彫刻ソフトウェアも提供する。
- コムネット株式会社
- ハードウェア販売事業部でGCC(ジーシーシー:台湾)製のレーザー彫刻機「LaserProシリーズ」を取り扱う。業界最安値のものから最高峰のプロ仕様のマシンとして高性能なカッティング&彫刻を実現するものまで。VENUSⅡ、C180、MERCURYⅡ、SPIRIT/SPIRIT GX/SPIRIT GE、GAIA など。
- グラボグラフ - グラボテック株式会社
- 超高速で金属やプラスティック上に直接彫刻を行う電気版タイプのNd-YAGレーザー彫刻機やCO2レーザー彫刻機のLSシリーズ(LS100、LS800、LS900)などがある。
- 株式会社ユー・イー・エス
- 米国ユニバーサル・レーザー・システムズ社の販売代理店。使う場所を選ばない簡単操作のコンパクト高性能マシンのバーサレーザーシリーズ(VLS2.30、VLS3.50)をはじめ、操作性・スピード・パワーを兼ね揃えたプロフェッショナルシリーズ、広い加工スペースを持つ産業用フルスペックマシン(インダストリアルシリーズ)などをラインナップ。
- 株式会社コマックス
- 高性能・広機能・高精度のレーザー彫刻機を分かり易くお買得にセット販売。米国一流メーカーのマシンなど各種ラインナップしている。
- ヨコハマレーザーシステム
- 米国ユニバーサル・レーザー・システムズ社の販売代理店。使う場所を選ばない簡単操作のコンパクト高性能マシンのバーサレーザーシリーズ(VLS2.30、VLS3.50)をはじめ、操作性・スピード・パワーを兼ね揃えたプロフェッショナルシリーズ、広い加工スペースを持つ産業用フルスペックマシン(インダストリアルシリーズ)などをラインナップ。
- 株式会社リンシュンドウ
- CO2レーザー彫刻機サンマックスシリーズ(SUNMAX-25H、-30H、-40H)やサンマックスQSシリーズ(QS-9060, QS-1290, QS-1490)を販売。
レーザー発信器
レーザー発信器は、発振するレーザーによりいくつかの種類があります。
誘導放出を起こす物質(媒体)による分類としては、固体レーザー(YAGレーザー、Nd:YAGレーザー等)、液体レーザー、ガスレーザー(CO2レーザー、エキシマレーザー等)、半導体レーザー、自由電子レーザーなどがあり、発振される光の波長によって分類すれば、赤外線レーザー、可視光線レーザー、紫外線レーザー、X線レーザーなどの種類があります。
それぞれ得意なレーザー発信器をもつ各種メーカー、販売店などがあります。
- コヒレント・ジャパン株式会社
- 卓越した技術を誇るドイツのエキシマレーザメーカー2社(ラムダフィジック社、TuiLaser社)を傘下に、エキシマレーザ(UV波長領域における高出力パルスレーザ)を販売する。157、193、248、308、351 nmのUV波長領域において様々なレンジのパルスエネルギー、繰返周波数の製品をラインナップ。
- 住友重機械工業株式会社メカトロニクス事業部
- パターンカットやセラミックスの微細工等、ミクロの加工を可能にするエキシマレーザほか、高い品質と信頼で工業用YAGレーザとして世界に実績があるGSIグループ/JK-Lasersのレーザー発振器、ファイバーレーザ発振器などを取り扱う。
- サンインスツルメント
- フェムト秒・ピコ秒ファイバーレーザ、高出力ファイバーレーザー、半導体レーザーなど各種取り扱う。
- カンタムエレクトロニクス株式会社
- アメリカのジェネラルアトミクス社、ジェー・ピーイノベーション社やフォトンエナジー社(ドイツ:Photon Energy GmbH)パサット社(カナダ)のLD励起固体レーザー、米国シンラッド社のCO2レーザー、レイディアンス社(アメリカ)やハイキューレーザー社(オーストリア)のフェムト秒レーザー・ピコ秒レーザーなどを取り扱う。
- 株式会社オプトピア
- イノバベントGmbH (INNOVAVENT GmbH)、ルマノバGmbH (LUMANOVA GmbH)、イエナオプティックLOS GmbH (JENOPTIK Laser Optik Systeme GmbH)などのドイツ社製のレーザー発信器を取り扱う。
- JDSU株式会社 コマーシャルレーザ
- Qスイッチ、モードロック、CWのLD励起固体レーザやファイバーレーザ、産業用半導体レーザおよびHeNeレーザや、Arイオンレーザなどのガスレーザなどを販売。
- 株式会社大興デフトップ
- 米国DPSS Laser Inc.社製 LD励起固体QスイッチUVレーザー発振器などを取り扱う。
- 株式会社日本レーザー
- 仏国Amplitude社 フェムト秒レーザー発振器、英国SPI社のファイバーレーザーのほか、独国IB Laser社、独国Azura Laser社、米国DPSS Lasers社、独国Omicron社、英国Powerlase社、米国Lee Laser社、独国ラソス社(LASOS)、独国クリラス社(CryLaS)、米国クリスタ・レーザー社(CrystaLaser)などのDPSS(半導体励起固体)レーザー(Nd:YAG・Nd:YLF・Nd:YVO4などの結晶を半導体レーザー(LD)で励起した固体レーザー)などを取り扱う。
- 株式会社片岡製作所
- KATAOKAが開発した革新的なLD励起レーザ発振器KLYシリーズなどを製造・販売。
- オムロンレーザーフロント株式会社
- 微細加工に最適なシングルモードビームを出力するLD励起Nd:YVO4 Qスイッチレーザ発振器や、超音波Qイッチを標準装備し、広汎なレーザアプリケーション利用できるLD励起Nd:YAGレーザ発振器など。
- スペクトラ・フィジックス株式会社
- 超短パルスレーザー、ランプ励起ナノ秒パルスレーザーシステム、波長可変レーザー、LD励起Qスイッチ固体レーザー、LD励起CW/Q-CW固体レーザー、ガスレーザー、ファイバーレーザー、高出力半導体レーザーなど、各種理科学研究用・産業用レーザー発振器などを販売。
- エクセルテクノロジー株式会社
- 米国コンテニュアム社や米国カントロニクス社の各種レーザー発信器などを取り扱う。
- 株式会社東京インスツルメンツ - TOKYOINSTRUMENTS,INC.
- ナノからピコ、フェムト秒パルス、CW、LD、波長可変レーザー等、紫外から赤外波長域までのレーザー各種取り揃えている。
- タレスレーザー株式会社
- タレスレーザー社(Thales Laser Co.Ltd.:フランス)をはじめとする各社レーザーを取り扱う。ナノ秒レーザー(半導体、フラッシュランプ励起)、フェムト秒レーザーなど。
- レイチャーシステムズ株式会社
- Litron Lasers社製(リトロンレーザー)、Laser Quantum社製(レーザーカンタム)、Photonics Industries International社製(フォトニクスインダストリーズ)、ACCESS LASER社製(アクセスレーザー)などの各種レーザー発振器を取り扱う。
- 株式会社インデコ
- レーザとその関連商品を扱う専門商社。ベラルーシの SOLAR Laser Systems 社製の小型で低価格なフラッシュランプ励起パルスYAGレーザなど。
- 株式会社メガオプト
- 固体レーザー光源の専門メーカー。励起光源にレーザーダイオードを使用した全固体レーザー製品をラインナップ。
- 株式会社オプトサイエンス
- 国内外さまざまなメーカーのレーザー光源を取り扱う。ファイバーレーザ、半導体レーザ、ピコ秒レーザ、フェムト秒レーザ、LD励起固体レーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、波長可変レーザなど。
- サイバーレーザー株式会社
- フェムト秒レーザーや固体レーザー光源から加工まで提供。紫外・グリーンレーザー、赤外・波長可変レーザー、スイス・ワンファイブ社や米国・ポーラーオニキス社のフェムト秒・ピコ秒ファイバーレーザーなど。
- SOC 昭和オプトロニクス株式会社
- 半導体レーザ(LD)を励起源とした高安定・長寿命の固体レーザ(用途に応じて10mW~8WのNd:YVO4グリーンレーザ、5mW~20mWのNd:YAGブルーレーザ、10mW~20mWのイエローレーザ)や、国内ではトップシェアを維持するガスレーザなど。
- プネウム株式会社
- フェムト秒レーザー(FEMTOLASERS社)、産業用半導体レーザー(Lumics社)、7WグリーンDPSSレーザー(LASER QUANTUM社)など、各種レーザー光源を輸入販売。
- GSIグループジャパン レーザ事業部
- シングルモードファイバーレーザ、ランプ励起Nd:YAGレーザ、ランプ励起 CW/Qスイッチ Nd:YAGレーザなど。
- ネオアーク株式会社
- レーザとレーザ応用システムの総合メーカー。He-Neレーザ(可視域)、安定化レーザ、He-Neレーザ(赤外域)、Nd-YAGレーザ、CO2レーザ、ルビーレーザ、半導体レーザなど各種。
- ロフィン・バーゼルジャパン株式会社
- CO2レーザーをはじめ、半導体業界、IT・電気業界、自動車業界、IDカード、スマートカード、医療業界、包装・パッケージングなど幅広い業界に利用されるレーザーを販売。
- トルンプ株式会社
- 世界最大のレーザ発振器・加工機メーカー。CO2レーザ発振器をはじめ各種ラインナップ。
- 有限会社ブロードバンド
- レーザー専門会社。DPSSL、多波長レーザー、CW小型LD励起レーザー発信器など。
- 芝浦メカトロニクス株式会社
- 完全固体化されたLD励起方式と、独自のLD配置と励起モジュール構造により高ビーム品質を維持し、高出力・高効率発振器など。
- AUTEX-オーテックス株式会社
- 各種レーザーの販売。最近ではTeem Photonics社製のパッシブQスイッチ・ピコ秒パルスLD励起固体レーザー販売も開始。
- IPGフォトニクスジャパン株式会社
- ファイバーレーザーメーカー。イッテリビウムファイバーレーザー、パルスファイバーレーザー、エリビウムファイバーレーザーなど。
- 三協興産株式会社
- 世界トップクラスのレーザー製品や周辺機器の輸入販売など。フェムト秒/ピコ秒Ti:Sapphire レーザーなど。
- 丸文株式会社
- エキシマレーザ、固体レーザ、ガスレーザ、ファイバーレーザ及びその周辺機器など、多種多様なレーザ発振器を取り扱う。
- 有限会社イーオーアール
- 半導体レーザー、LD励起レーザー、超短パルスレーザー、CO2レーザー、He-Neレーザー、ファイバーレーザーなど。
- フォトテクニカ株式会社
- レーザダイオード直接励起Yb:KGW高出力フェムト秒レーザ、小型フェムト・ピコ秒レーザなど。
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